松茸と椎茸の違いは?と聞かれれば、値段、味、香り、全てが違うと答える人が多いことでしょう。
もちろんその答えでも十分なんですが、もうちょっと詳しく知りたいと思ったことはありませんか?
わたしの場合、どうして同じきのこなのにあれほど立場(?)が違うのかが非常に気になりした。
ということで今回は、「松茸と椎茸の違い(価値が違う理由)」についておまとめしてみました。
この記事を読めば、生きていく環境の違いやあれほど値段が違う理由などが理解できます。
だれかに教えてあげたくなる豆知識ですよ(*・∀-)☆
生きていく環境が全然違うふたつのキノコ
まず知っていただきたいのが、キノコには枯れた木(枯れ葉なども含む)に生えるタイプと生きている木(根)に生えるタイプに分かれるているということです。
前者を「腐生菌」、後者を「菌根菌(共生菌)」と呼びます。
椎茸やえのきなどわたしたちの食卓に並びやすいものは腐生菌に属し、一般的に高価な松茸やポルチーニ茸は菌根菌(共生菌)に属します。
腐生菌は枯れた木や枯れ葉などを分解して栄養にしながら生きています。
一方、菌根菌は土中の水分や栄養素(窒素・リン酸・カリ)を根から樹木に与え、その見返りとして樹木から糖類などの栄養をもらって生きています。まさに共生関係ですね。
そして、このふたつのタイプには決定的な違いがあります。それは、人工栽培ができるかできないかの違いです。
書くまでもありませんが、腐生菌はできて、菌根菌はできません。この違いがそのまま値段の違いになって現れているわけです。
松茸は人工栽培できないというのはよく聞く話ですが、その理由はこの生きていく環境の違いからきているのです。
このこと知っていると、椎茸との違いだけではなく、その他の身近なキノコとの違いも理解できますね。誰かに質問されてもサラッと答えられます。
ちょっと想像してみましょう。
あなた「人工栽培できないから高いんだよ」
恋人「どうして人工栽培できないの?」
あなた「それは松茸が菌根菌だからだよ(キリッ)」
恋人「菌根菌ってなぁに?」
あなた「それは樹木と共生関係をうんたらかんたら…」
なんだかちょっと博識な感じがしませんか。キノコだけに株が上がります(●´艸`)
昔は椎茸の方が高価なキノコだった!
これ、今回調べていてはじめて知ったんですが、昔は松茸より椎茸の方が断然高価なキノコとして扱われていたんです!驚きましたね、この事実。
で、その理由なんですが、昔は今に比べて松茸が育つ環境が多く、椎茸の育つ環境が少なかったのだそうです。
これだけではちょっとわかりにくいので詳しく説明しましょう。
そもそも、松茸が育つのは針葉樹のアカマツの根本。そして、アカマツは他の植物が育ちにくいような痩せた土地に自生する植物だったりします。
そして、昔は今より痩せている土地が多く、アカマツが育ちやすい環境が多かったと言われています。その分、松茸が見つけやすかったということですね。
一方、椎茸は栄養分たっぷりの土地に育つ広葉樹の多い森に育つキノコ。広葉樹の切り株やら落ち葉などを栄養分としているからです。
しかし、先程伝えたように昔は痩せた土地が多く、広葉樹がモリモリ育つような土地は人里から離れた山の中です。
そこまで行かなければあまり椎茸が採れなかったわけです。
つまり、現代と全く逆。身近に手に入る椎茸と山奥まで探しにいかなければ手に入らない松茸。立場が逆転するのもうなずけます。
しかし、その後はご存じの通り。腐生菌の人工栽培に成功したことで椎茸の収穫量は激増し、どんどん身近なキノコになっていきました。
逆に松茸の数はどんどん減り、希少価値がグングン上がって今のような立場になります。
生きていく環境が違うということが、時代の流れとリンクしてこんなにも大きな差に発展する…。知ってしまえば単純な話なんですが、なんというか歴史を感じるのはわたしだけでしょうか。
ひとこと。
今回、松茸と椎茸の違いについて調べてみましたが、個人的にとても充実した時間を過ごすことができました。
普段わたしたちの身の回りにあるものにも、こうした歴史がかくれているのだと思うと好奇心が刺激されます。やっぱり知らないというのはもったいないことですね。
これからも身近な疑問を自分なりにおまとめしていこうと思います(ノ `・∀・)ノ゙