寒い季節には欠かせない鍋料理。せっかくお鍋を作るならやっぱり土鍋が一番。最近は土鍋ブームということもあり「マイ土鍋」を購入する人も多いようです。
さて、そんな土鍋ですが、実は使い始めの一手間が大切なんです。この一手間は「目止め」と言うんですが、し忘れると土鍋の底から水が滲み出してきたり、ひび割れてしまうこともあります。
ということで、「土鍋の使い始めの目止め」についておまとめしてみました!今回はほとんどのご家庭にあるであろう小麦粉を使った目止めの方法を中心にお伝えしていきます(´・∀・)ノ゚
目止めのやり方の後には、日々のお手入れなどについても補足しておりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。まずは、目止めが必要な理由について見ていきましょう!
使い始めにどうして目止めが必要なのか
底から水が漏れるなんて欠陥品なんじゃないのか?と思ってしまうかも知れませんが、土鍋は文字通り土で出来ていますので、もともと耐水性は低いものなのです。
焼いて固く固まってはいますが、土鍋には目に見えないほどの穴がたくさん空いています。この小さな穴から少しづつ水が染み込んでいき、最終的に底の裏から染みだしてくるというわけです(´Д`。)
蓋や土鍋上部にはツルっとした釉薬が塗られていて、この釉薬が穴をコーティングしてくれています。しかし、底の部分には釉薬が塗られていませんので、素焼きの状態となります。
この素焼き部分の小さな穴を小麦粉などのデンプンを使って埋めてしまいましょうというのが目止めなんです。ちなみに小麦粉以外にも片栗粉やお粥、米のとぎ汁などを使って目止めをする場合もあります。使い始めに目止めをするのには、こういった理由があったのです。
小麦粉を使った目止めのやり方
ざっくりとした流れについては、こちらの動画が参考になりますので、まずは一度ご覧になってみてください(´・∀・)ノ゚
はい、思っていた以上に簡単だったのではないでしょうか。以下に詳しい手順をまとめておきますので、実際に目止めする時の目安にしてください!
洗剤は臭いがつくので使わないようにしてください。
② しっかりと乾かす
数日かけてしっかりと乾かしましょう。
③ ボウルで水と小麦粉を混ぜる
水と小麦粉の量は鍋の大きさによって変わりますあが、小麦粉は水の10%くらいが目安となります。
④ 小麦粉水を土鍋に入れて火にかける
土鍋は急な温度変化に弱いですので、弱火でじっくり加熱していきましょう。弱火には吹きこぼれ防止の意味もあります。
⑤ 沸騰したまま1時間程度加熱する
⑥ 日を止めて、そのまま冷めるまで放置
土鍋は保温力が高いので中々冷めません。なので、夜に目止めして、そのまま一晩かけて冷ますやり方がおすすめです。
⑦ 中身を捨てて水洗いする
⑧ しっかり乾燥させて目止め完了!
ここも数日かけてしっかりと乾かしましょう。
順番通りにしていけば失敗などなさそうな目止めですが、③の工程をバラして水をはった土鍋に小麦粉を入れると、穴が埋まる前に土鍋が水を吸ってしまうのであまり意味がありません(穴に先に水が入るのでデンプンが入れない)。
なので、小麦粉と水は必ず混ぜ合わせてから土鍋に入れましょう(´・∀・)ノ゚
土鍋を使った後のお手入れ方法について
土鍋と上手に付き合っていくには、使った後のお手入れが非常に大切です。美味しいお鍋を食べた後は、しっかりお手入れしてあげましょう(σ^▽^)σ
① 土鍋が冷めるまで待つ
土鍋は急激な温度変化が苦手なので、熱いまま水につけるとひび割れてしまう可能性があります。手で触っても平気なくらいまで冷めていれば大丈夫です。
② 浸け置きはしない
汚れを落とすためにしてしまいがちな浸け置きですが、土鍋に関して言えばNGです。汚れたまま水に浸けてしまうと、土鍋が汚れを吸ってしまうことになります。キッチンペーパーなどで余分な汚れを拭き取ってから、さっと洗うようにしましょう。
洗剤は少しなら使っても大丈夫ですが、出来るだけ早く洗いながしてくださいね。土鍋を傷つけないよう柔らかいスポンジを使って洗うと良いでしょう。
③ 洗った後はしっかり乾かす
土鍋はこの「乾かし」が本当に大切です。土鍋に水分が残ったまましまい込んでしまうと嫌な臭いやカビの原因になります。3日以上かけてしっかり乾かすようにしましょう。日光に当てて乾かすのもおすすめです。
ひとこと
土鍋は使えば使うほど味が染み込んで育っていくそうです。これも土鍋の楽しみ方かも知れませんね。
わたしはこの”鍋が育つ”というお話を「美味しんぼ」で知りました。何十年も使い込んだすっぽん用の土鍋に米と水と醤油を入れるだけで美味しい雑炊が出来るというお話です。アニメなのでどこまで本当なのかはわかりませんが、何だかとっても良い話だなぁと思ったのを覚えています。
ちょっと話が脱線してしまいましたが、しっかりお手入れしてあなたの土鍋も育ててあげてくださいね。そのためにも使い始めの目止めをお忘れなく(●´Д`●)