松の木の下によく落ちている松ぼっくり。子供の頃によく拾って遊んだという方も多いのではないでしょうか。
ところでこの松ぼっくり、水を張った器の中に沈めると面白いことが起こるのはご存知でしたか?
なんと、松ぼっくりのひらひらした鱗のような傘がすっかり閉じてしまうのです。不思議ですよねヽ(゚Д゚*)ノ
なぜ松ぼっくりを水につけると傘が閉じるのでしょうか?
その秘密はあの鱗のような傘と、松ぼっくりの果たす役割にありました!
とういことで今回は、「松ぼっくりを水につけると傘が閉じる理由と元に戻す方法」について解説します(*・∀-)☆
松ぼっくりを水につけると傘が閉じる理由は?
まずは実際に松ぼっくりを水につけた時にどうなっていくのか、こちらの動画をご覧ください。
この動画からも分かるように、松ぼっくりを沈めてしばらくすると開いていた松かさがまるでパズルのピースのようにぴったりと閉じてラグビーボールのような形に変化していきます。
この現象、実は松ぼっくりが中に入っている種を水から守るために傘を閉じているのです。
そもそも松ぼっくりとは球果と呼ばれる松の実です。硬くてイガイガしていますが、わたし達がいつも食べているリンゴやぶどうなどの果実と同じ役割を持っています。
その役割とは種を守り、残すことです。
鱗片と呼ばれる松かさのあの鱗のような部分の根本には松の種がついています。
よく晴れて乾燥した日には松ぼっくりから鱗片が外れ、プロペラのように風に乗って種を遠くまで運んでいきます。
しかし、雨の日には鱗片が水分で重くなって種が遠くまで運べないため、傘をしっかりと閉じて種を濡らさないようにしているというわけです。
雨が降った後や湿気が高い日に松の木の近くを通ると、傘の閉じた松ぼっくりが落ちているのを見かけることがありますが、それもこの現象のためです。
松ぼっくりの傘が閉じる仕組みはどうなっているの?
前の章で説明したように、松が子孫を残すために発展した結果松かさが閉じる現象が起こるというわけです。
でも実際松ぼっくりの傘がどんな仕組みで閉じたり開いたりしているのか、すごく気になりますよね。
松ぼっくりには人間や犬や猫のように骨や筋肉があるわけではありません。あの硬い松かさがどうやって短時間で変化しているのでしょうか?
その秘密は先ほど名前が出た松かさの鱗の部分、鱗片にあります。
松ぼっくりを縦半分に切って見ると鱗片の部分が上下二層に分かれていることがわかります。
この二層、傘が閉じた時に表面になるほうを外側、中になるほうを内側とします。同じ鱗片の一部分ですが、二つの層はそれぞれ違う性質を持つ繊維で成り立っています。
どちらの層も乾燥すると縮み、湿気を感じとると伸びる性質があるのですが、外側の層と内側の層で縮み方、伸び方に違いがあります。
具体的には、外側の層の方が内側の層よりも伸び縮みしやすいという性質を持っているのです。
● 乾燥している時
その影響で縮みにくい内側の層が一緒に引っ張られ、傘が開いた状態になります。
● 水につけた時
この時、小さく縮んでいた外側の層が徐々に伸びていきます。すると外側に引っ張られていた内側の層が引っ張られなくなり、開いていた傘がぴったりと閉じるのです。
少し複雑ですが松ぼっくりの傘はこのような仕組みで開いたり閉じたりできるようになっています(`・ω・´)ノ
閉じた松ぼっくりを開かせる方法は?
水につけると松ぼっくりの傘が閉じる理由や仕組みについては解説しましたが、閉じてしまった松かさを元の開いた状態に戻すにはどうしたら良いのでしょうか。
答えは簡単。水に濡らすと傘が閉じたのですから、今度は乾かせば良いのです。
傘が閉じてしまった松ぼっくりを元どおりにしたい時には、日当たりの良い場所でしっかり天日干しすれば再び傘が開きます。
もしすぐに元に戻したい場合はドライヤーなどで熱風を当てて乾かすと数分で傘が開きます。
拾ってきた松ぼっくりが湿って傘が閉じた状態だった時などには試してみてくださいね!
ひとこと。
いかがだったでしょうか^^
松かさが水に濡らすと傘が閉じるという話は意外と知らない人も多いと思います。
実際に拾った松ぼっくりを水につけて傘が変化していく様子は見ていてとても面白いので、ぜひ一度試してみてくださいね。
また、松ぼっくりは簡単に手に入るので、お子さんの自由研究の題材にしてみてもいいと思います。
松ぼっくりの鱗片の仕組みは近年として最先端技術スポーツウェアなどに使われる化学繊維にも応用されているそうですから、詳しく調べてみるともっと色々なことが分かるかもしれませんね(●´▽`)