重曹ブームも落ち着いてきた今日この頃、代わりにお掃除の友として人気を集めているのが「セスキ炭酸ソーダ」であります。なにせ重曹の約10倍の洗浄力ですからね、人気も出るはずです。
しかしながら、重曹はお家にあるけどセスキ炭酸ソーダはまだ使ったことがないという人も多いのではないでしょうか。そんな時は重曹からセスキ炭酸ソーダの代用品を作って効果を試してみてはいかがでしょうか。
詳しくは後述しますが、重曹に少し手を加えるだけで、セスキ炭酸ソーダよりも強い洗浄力を持つアルカリ剤に変化させることができます。
ということで今回は、「重曹を使ったセスキ炭酸ソーダの代用品の作り方」についておまとめしてみました。
作り方も非常にシンプルですので、ぜひチャレンジしてみてください!
重曹でセスキ炭酸ソーダの代用品を作ろう!
作り方の前に、ちょっとだけ予備知識を。
あくまで代用品と書いているのは、今回の作り方で出来上がるのが、セスキ炭酸ソーダそのものではないからです。さらにその上のアルカリ剤である「炭酸ソーダ」になります。
名前が似ていてややこしいのですが、アルカリの強さで言うと、「セスキ炭酸ソーダ」と「炭酸ソーダ」は兄弟のようなもので、炭酸ソーダの方が兄貴となります。ちなみに一番下の弟が重曹ですね。
つまり、
の順に強力なアルカリ剤となりますので、洗浄力で言えば十分セスキ炭酸ソーダの代用品となります。
はい、それでは作り方に移りましょう。
【作り方】
アルミ製のお鍋はアルカリと反応して変色(腐食)してしまうので、それ以外のお鍋を使ってください。わたしは小さいフライパンを使いました。
② 重曹を少し入れる
わたしが試した分量は、水100ccに対し重曹5gです。ただこれはわたしが勝手に試した分量ですので、これが正しいというわけではありません(参考にする情報がなかったため)。わたしはこれで効果を確認できましたが、何度か試しながら分量を調節していくと良いでしょう。
③ 弱火から中火で加熱する
重曹水を加熱すると小さな泡がすぐに出てきます。沸騰させる必要はありませんが、しばらくそのまま加熱し続けましょう。しばらくしたら火を止め、そのまま粗熱を取ります。
④ 粗熱が取れたら完成
そのまま使ってもOKですし、保存用にスプレーボトルに入れて良いでしょう。スプレーボトルが溶けないように、十分冷ましてから移し替えてくださいね。
はい、拍子抜けするくらい簡単です。重曹水を火にかければ完成ですからね、ほんとは作り方も何もありません。
さて、わたしが実際に作ってみた感想は、洗浄力が想像以上だったということです。普段使っているセスキ炭酸ソーダスプレーと同等、もしくはそれ以上の分解力を持っているように感じました。ちょびっとしか重曹を入れていなかったので、この効果には正直驚きました。
しかし、しつこい油汚れを落とすという点では非常に頼もしいのですが、このレベルになると皮膚への刺激が心配です。初めて使う場合はゴム手袋をつけて作業した方が良いかもしれません。
重曹がどうしてセスキ炭酸ソーダみたいになるの?
作り方だけではちょっと寂しいですので、加熱された重曹がどういう変化をするのかについてもまとめてみました。興味があればもう少しだけお付き合いください。
重曹は加熱すると泡が出てきますが、あれは重曹の中の水と二酸化炭素が分解されて泡になっている状態です。そして重曹からこのふたつがなくなることで重曹から炭酸ソーダへと変化します。アルカリの強さ(ph)で言うと、重曹が8.2、セスキ炭酸ソーダが9.8、炭酸ソーダが11.2となりますので、水で薄まっているとはいえかなりの洗浄力が期待できます。
今回は重曹水を加熱する作り方をお伝えしたが、重曹をフライパンで乾煎りしても炭酸ソーダを作ることができます。ただし、重曹水の状態では60度あたりから変化し始めるのに対し、水に溶けていない状態では270度もの温度が必要となりますので、ちょっと手間がかかります。
どちらの作り方がおすすめというわけではありませんが、ちゃちゃっと使う場合は、水溶液を加熱する方がお手軽ですね。わたしはこっち派です。
補足ですが、セスキ炭酸ソーダを加熱しても炭酸ソーダに変化します。セスキ炭酸ソーダは重曹と炭酸ソーダの中間の存在ですので、加熱するとセスキ炭酸ソーダの中の重曹成分が炭酸ソーダになって、炭酸ソーダそのものになるというわけです。
この知識は今後、セスキ炭酸ソーダでは落ちないレベルの油汚れに出くわした時に役に立つかと思います。セスキ炭酸ソーダを熱湯に溶かして炭酸ソーダに変化させ、洗浄力をアップさせるのです。換気扇などであればこの炭酸ソーダのお湯に浸け置くだけで、かなりの汚れが分解されますよ!
ひとこと。
重曹、セスキ炭酸ソーダ、炭酸ソーダと名前は違いますが、全て同じアルカリ剤の仲間です。アルカリ剤の性質を理解することで、今まで以上に広い範囲で活用することができるでしょう。
例えば、アルカリ剤を「入浴剤」として使うこともできます。セスキ炭酸ソーダ単体でも使えますし、重曹とクエン酸を使って炭酸風呂を楽しむことも可能です。
それにしても、重曹から炭酸ソーダはかなりナイスですね。手荒れにだけは注意して、どんどんお掃除しちゃいましょうヽ(*´∀`)ノ