わたくし、けっこう料理は好きな方ですが、以前からどうも天ぷらだけは苦手でした。レシピ通りにつくっているつもりでも、どういうわけか完成度にバラツキがあるのです。サクサクだったり、ベチャベチャだったり。
今までは「まぁいいか」ですましてきましたが、そろそろこの壁はこえておきたいという気持ちがむくむくとわいてきたので、丸一日かけて調べてみました。せっかくなので、リサーチした結果をこの場で共有したいと思います!
ということで今回は、「サクサク天ぷらのメカニズム」についてがっつりお伝えしてまいりますヽ(*´∀`)ノ
サクサクの天ぷらとは?
そもそも天ぷらがサクサクというのはどういう状態なのかを調べてみた結果、衣の中の水分が上手く蒸発して、良い感じに空洞ができている状態ということがわかりました。なるほど、なるほど。
では、どうすれば良い感じに水分が蒸発するのかというと、
このふたつを適度な状態にもっていくことがポイントです。
今まではよくわからないいまま作っていましが、少しずつサクサクの条件が見えてきました。ひとつずつ詳しく説明しましょう。
衣の粘土について
上記のふたつのうち、特に難しいのは衣の方です。ここで鍵になるのが「グルテン」という言葉。グルテンは小麦粉に水を混ぜて混ぜるとできるタンパク質の固まりなんですが、非常に粘度が高い物質です。大きな固まりになるとガムみたいな感じになります。
そこまでいかないにしろ、このグルテンが衣の中に増えてしまうと衣がどろっとしてしまい、油で揚げても水分が抜けにくい状態となってしまいます。材料の分量があっているのにボテっとした重い衣になったら、これが原因の場合が多いでしょう。
つまり、サクサクの衣にするにはできるだけグルテンを作らないようにすれば良いということになりますね(´・∀・)ノ゚
油の温度について
上手に作れた衣を適切な温度の油に入れると、衣の中の水分は一気に蒸発し、衣の中にはたくさんの気泡ができます。その気泡からも余分な水分が抜けることで、天ぷらがサクサクに仕上がるという仕組みです。
逆に油の温度が低いと、蒸発するスピードが遅いので、気泡がたくさんできる前に衣が固まってしまいます。その結果、衣の中に水分が多くが残ってしまい、べちゃっとして天ぷらになってしまうというわけですね。
このことから油の温度に関しては、しっかり適正温度にまで上げてから、それをキープするのが重要だということがわかります。
はい、ざっくりまとめるとこんな感じですね。とにかく、サクサクの秘訣は衣の水分をとばすというところにあるようです。ここからはそうするためコツについてまとめていきましょう!
衣作りのコツをざっくりおまとめ!
先述したように、衣作りのポイントはいかにグルテンを作らないかというところにあります。とは言うものの、グルテンは小麦粉と水を混ぜると勝手にできてしまうので、できるだけ混ぜる回数を減らす方向で考えましょう。
そこで、
という小技を使用します。
わたしが今まで失敗してきたのは、材料を全部入れてから一気に混ぜていたことに原因があったようです。そうなると必然的に混ぜる回数が増えてしまいますからね。なので、先に卵と水を混ぜておきましょうというわけです。菜箸は、細いものより太い方が混ぜやすいという理由からです。
小麦粉を入れてからの混ぜる目安ですが、ホットケーキのように完全に混ざるまで混ぜてしまうと混ぜすぎになってしまうで、小麦粉のだまが多少残っているくらいでやめておくのがコツです。
また、グルテンは温度が高いとできやすい性質がありますので、衣の材料は全て冷蔵庫で冷やしておきましょう。本職の人は前日から冷蔵庫で冷やすそうですので、時間に余裕があればやってみるといいかもしれません。
サクサクにする裏技について
さて、少し話はそれますが、ここまで紹介したの衣の作り方は、小麦粉・水・卵だけを使った純粋(?)な衣についてです。
しかし、ネットですでに検索してた人はご存知かもしれませんが、この他にもなにかしらの材料を使って、天ぷらの衣をサクサクにしようという試みがあったりします。
以下に代表的なものを挙げておきましょう。
この中で一番メジャーなのがマヨネーズです。大手マヨネーズ会社さんのサイトでもマヨネーズを衣に入れるレシピが公開されていました。
マヨネーズには、
という利点があります。
では、片栗粉や炭酸水、ビールについてはどうでしょうか。
片栗粉を入れるのは小麦粉を減らしてグルテンを減らすのが目的で、炭酸水は発泡させて衣の中に気泡を作るのが狙いです。ビールに関しては、炭酸の発泡作用とアルコールの沸点の低さ(衣の温度を上がりやすくする)を利用しようというものです。
ご覧いただいたとおり、どの方法も結果的にサクサクの条件に近づきますので、アリと言えばアリです。ただ、個人的な意見を書かせていただくと、ここまでいろいろ入れるのであれば、「天ぷら粉」を使った方が楽なんじゃないかと思います。配合の分量を考えなくていいわけですから。
それに、天ぷら粉に使われている粉はグルテンができにくいようタンパク質を減らしたものですし、ベーキングパウダーも入っているので、同じような効果が期待できます。
調べているうちにわかりましたが、天ぷら粉はかなり優秀です。わざわざ炭酸水を買いに行くくらいなら、天ぷら粉をおすすめいたします(`・ω・´)ゞ
揚げ方のコツをざっくりおまとめ!
油については、温度の見極めと一度に揚げる量がポイントです。
天ぷらに適した温度は食材によって変わりますが、だいたい160度~180度くらいの間ですので、しっかり見極めましょう。見極め方は衣を使う方法と菜箸を使う方法があります。わたしはどちらかと言うと、衣を使う方法の方がわかりやすいですね。
参考記事:「揚げ油の温度の測り方」
どうしてもうまくいかない場合は、油用の温度計を用意しましょう!
揚げる時に注意してほしいのは、一度にたくさん揚げないことです。早く終わらせたいからといって大量に入れてしまうと、油の温度が一気に下がってしまいます。そしてその後、温度が上がりきらないまま次のタネを油に入れる…。どうなるかはもうおわかりですね(´Д`。)
また、油が少なすぎても温度は下がりやすくなります。天ぷらを作る時は思い切ってたっぷりの油で揚げるとカラっと揚がりますよ!
揚げる前と揚げた後も大切。
記事の構成上後回しにしてしまいましたが、天ぷらは揚げる前と揚げた後にも注意すべきポイントがあります。特に難しいことでもありませんので、簡単にまとめておきます。
食材の水分は切っておく
天ぷらのタネに使う食材にも水分は含まれています。特にエビやイカななどは水分を多く含んでいるので、下処理の後はキッチンペーパーなどでしっかり水分を拭き取っておきましょう。
食材の水分に関しては、サクサクに仕上がるためだけではなく油ハネを防ぐという意味もあります。とくにイカにはご注意を。爆発しますので。
バットで油を切る、重ねない
揚がったがった天ぷらは、必ず網付きバットの上で余分な油を落としましょう。直接キッチンペーパーを敷いたお皿の上にのせるのはベチャッとなる原因になります。
また、天ぷら同士が重ならないように並べるのもポイント。重なった部分はどうしても熱がこもり、ベチャッとなってしまいます。
まとめ。
おつかれさまでした!それでは最後に、今回の記事の要点をさらっとまとめておきます(*・∀-)☆
【下準備】
【衣作り】
【揚げ方】
【揚がった後】
正直なところ、これらの知識を得たからといっていきなり完璧な天ぷらを揚げられるわけではありません。やはり、慣れが必要です。しかしながら、サクサクになるメカニズムを理解しながら作るのと、そうでないいまま作るのとでは、成長スピードに大きく差が出ると思います。
こんなに下の方まで読んでくれているあなたの熱意があれば、きっと素晴らしい天ぷらをサクッと揚げてくれることでしょう。サクサクだけに(●´艸`)