冷蔵庫上段の奥(見えにくい)から出てきた白い納豆パック。おそるおそる賞味期限を見てみるとギリギリセーフと一安心。

しかし、白いフタをパキッと開けてみると、そこには得体の知れない白いツブツブが…。

な~んて経験、あなたも一度はあるのではないでしょうか。ひょっとしたら、今目の前にその白いツブツブ納豆があるのかもしれませんね。

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さて、今回のテーマはこの納豆に発生した白いツブツブについて。この状態になった納豆は食べられるのか?そもそもこの白いのはなんなんだ?ということをわかりやすくお伝えしていこうかと思っておりますヽ(*´∀`)ノ

白いツブツブの正体とは!?


納豆
まず一番にお伝えしたいのは、この状態の納豆は食べられます。そのままかき混ぜて食べてもまったく問題ありません!

なぜなら、この白いツブツブの正体は「チロシン」というアミノ酸の結晶だからです。アミノ酸といえば、昆布や鰹節に含まれる旨味成分として有名ですが、言ってみればあれの仲間ですね(種類は違いますが)。

さらに付け加えてと、チロシンはタンパク質が分解されて作られるアミノ酸なので、非常に安全性の高い物質と言えます。ちなみにチロシンが白く結晶化するのは、水に溶けにくい性質を持っているからです。

※ 納豆を作っている会社では「チロっている」と言うそうです。なんだか納豆通みたいなので、覚えておきましょう!
【豆知識】

チロシンは結晶化しているだけにちょっとジャリジャリすることがあります。そういった食感が気になる場合は、炒飯に入れるなどの加熱調理をしてからいただくと食べやすいかと思います。
補足なんですが、まだ賞味期限まで余裕がある納豆でも、納豆の表面が白くほわっと(綿状に)なっていることがあります。

この白いほわほわはチロシンとはまた別もので、納豆菌の菌膜だったりします。納豆菌が元気に活動している証拠ですので、安心して食べちゃってくださいね♪

ということで、謎の白いツブツブの正体はアミノ酸の結晶でした(*・∀-)☆

チロシンはどうして結晶化するの?


温度計
このように食べても問題のないチロシンですが、これはどうして結晶化してしまうのでしょうか。答えは、納豆の過発酵です。

納豆を長持ちさせるには、一般的に10℃以下での保存が望ましいとされていますが、それ以上の温度で保管するとハイスピードで発酵が進んでしまいます。

そういうわけで涼しい冷蔵庫に入れておくのですが、残念ながら冷蔵庫の中でもゆっくりと発酵は進んでしまいます。

そして、ロースピードながらも発酵が進む間に、納豆のタンパク質は分解されまくり、大量のチロシンとなります。それらが目に見える大きさの結晶になるわけです。


余談ですが、大豆の皮を取り除いて細かく砕いた「ひきわり納豆」は、通常の納豆に比べ発酵するスピードが早く、チロシンが結晶化しやすい特徴を持っています。

ですから、ひきわり納豆を買った場合は、冷蔵庫に入れていても早めに食べてしまうことをおすすめいたします(´・∀・)ノ゚

納豆にもカビは発生しますよ!


さて、納豆には白い粒や白いほわほわ以外にも、緑色のふわふわが発生することがあります。これも何かの結晶なのか?食べられるのか?と思いたいところですが、残念ながらその緑のふわふわは「カビ」です。もちろん食べられません。

よく納豆にはカビが生えにくいというようなことを耳にしますが、それは納豆菌がカビをやっつけるのではなく、納豆菌が繁殖しまくっているので、カビが繁殖するスペースがないというのが正解だったりします。

つまり、納豆が過発酵して納豆菌が弱ってきたところに運悪くカビが入ってくると、納豆菌がカビの勢いに負けてしまうことがあるのです(-∀-`; )


これはカビだけではなく、他の雑菌でも同じこと。納豆菌による発酵が終わった後は、雑菌が繁殖して腐敗することになります。

ちなみに腐ってしまった納豆は、あるはずの粘り気がなく水っぽくなっているのが特徴です。また、その状態になると強烈な「アンモニア臭」もあるでしょう。

ちょっと古くなってしまった納豆を食べる時は、食べる前チェックを欠かさないようにしてくださいね!
【豆知識】

発酵と腐敗の違いは、人体に有益なのか有害なのかの違いなので、わりと紙一重。カビやら雑菌で納豆がダメになってしまう前に、おいしくネバネバしていただきましょう(`・ω・´)ゞ
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納豆を長持ちさせる保存方法は?


実は、納豆は冷凍保存ができるんです。納豆菌は活動できない環境におかれると冬眠のような状態に入ります。文字通りこれは眠っているだけで、また温度が上がると元気よく活動を始めるんですね~(*´ε` *)

スーパーの安売りで納豆を買いすぎてしまったという時は、とりあえず数日のうちに食べない分は冷凍庫に入れておきましょう。

納豆の水分を守るために、ビニール袋やフリーザーバッグに入れておくと解凍したときによりおいしくいただくことができます。


解凍する時は、食べる前日の夜に冷蔵庫に移動しておけばOKです。レンジや常温で急激に温度を上げる必要はありません

ただ、冷凍保存といってもいつまでも保存できるわけではありませんので、できるだけはやくいただくことも忘れないようにしてください(´・∀・)ノ゚

ひとこと。


おつかれさまでした!書いてみると思っている以上に長くなってしまいました。あなたの納豆知識もずいぶん上がったことでしょう。

最後に要点だけをまとめると、

  • 納豆の白いツブツブはアミノ酸の結晶
  • 「チロシン」という物質で食べても問題ない
  • 納豆の過発酵がチロシン結晶化の理由
  • 納豆は納豆菌が弱るとカビる可能性がある
  • カビと同じように腐ってしまう可能性もある
  • 納豆が腐ると水っぽくなる&強烈なアンモニア臭
  • 納豆を買いすぎたら袋に入れて冷凍庫へ
  • 解凍する時は前日に冷蔵庫へ移動する
  • となります。

    いやぁ、納豆ってなかなかに奥が深い食べ物ですね。まさに生きた食品といった感じがしますね!

    ちなみにわたしは紫色のパッケージの「しそ海苔納豆」が大好きです。とってもおいしい納豆ですので、まだ食べたことがない人はぜひ一度お試しくださいヽ(*´∀`)ノ


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